勇者のパーティに属するイブは、薬剤師としてその務めを果たしていた。
勇者一行の仕事は、街を襲う魔族の討伐と、魔王の討伐。
イブには戦闘力はないけれど、その分祖母から教えてもらった薬学の知識で、仲間や傷ついた街の人々の身体を守っていた。
とある日、いつものように小さな町を魔物の襲撃から守り、祝いの宴が催されていた夜のこと。
宴の喧騒に少し疲れてしまったイブは、町から出てすぐのところにある森へと足を踏み入れた。在庫の切れかけていた薬草があったのを思い出したのと、それと、草木の匂いの中に身を浸したくなったから。自然の匂いを身体いっぱいに吸い込んで、浮ついた心を鎮めたかった。
けれど、そこで鼻についたのは慣れ親しんだ草木の匂いではなかった。いや、別の意味で慣れてはいる。けれど決して親しみを感じることのない、血の、臭い。
イブは走った。怪我をした人がいるなら助けなければ。反射的に、イブは走り出す。
そして、そこにいたのは人ではなかった。
銀色の毛をした、大きな獣。狼に似ている。けれど狼より、さらに大きい。そんな獣が、浅い呼吸で、今にも死にそうなほどに大量の血を垂れ流し続けていた。
そんな状態にあるならば、人であろうと獣であろうと関係ない。イブは有り合わせの薬で獣の手当てをし、獣は一命を取り留めた。獣はゆっくりと身体を起こすと、イブを一瞥し、そしてすぐに駆けて行ってしまった。まだ走れるような状況ではないはずなのに。イブの静止の声も、振り切って。
仕方なくイブも町の人が用意してくれた宿屋へと帰る。毎晩飲んでいるお茶を煎じて、一気に飲み下してからベッドに倒れ込んだ。疲れていた。着替えることもせずに、睡魔に誘われるまま沈んでいく。
そうして、目を覚ました朝。
イブは、信じられないものを目にする。
眠る自分に覆い被さる銀髪の男。その男の頭からは、二本の角が生えていて。
ーー魔族。
混乱するイブに、男はにやりと笑った。
「ああ、やっと起きたか」
これが、イブと魔族の男、エディとの出会い。
本来ならば、決して相いれることのない存在の二人。
この魔族の男がどうしてここにいるのかも。
自分がこれからどうなるのかも。
ーーイブには、何もわからなかった。
※Rは激しめに行く予定です!よろしくっす!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-03 22:57:39
119256文字
会話率:36%
「アデアは俺を選ぶよな?」「いいえ、俺のほうがアデアを愛しています」
――この状況、どうなってるんですか!?
ブリムフィールド王国の辺境にある村。そこに住むアデアは平凡な19歳の青年(ただし、割と童顔)。唯一非凡なことがあるとすれば、ずっ
と一緒にいた幼馴染が1年前に勇者に選ばれたことくらいだろうか。それも、アデア自身の出来事ではないが。
そんなある日、アデアは村の隅で生き倒れていた一人の青年を見つける。
咄嗟に彼を助けたアデアは、彼がリシアルドという名前で、父親と喧嘩したことをきっかけに飛び出してきたことを知る。ちなみに、年齢は18歳らしい。
行く当てのないリシアルドを保護することにしたアデアは、彼と共同生活を送るようになった。
平穏で平凡な日々。が、その日々が崩れたのは、ほかでもない幼馴染サデウスが村に一時的に戻ってきたことがきっかけで……。
「そいつ、××だぞ」
挙句、助けたリシアルドの正体が「××」だったことが判明。正体が露見した以上、ここにはいられない。そう言ったリシアルドは、何故かアデアに「キミを故郷に連れて行く」と言い出して……?
「アデアは俺の嫁になるんだ」「いいえ、俺の妻になります」
幼馴染の激重勇者と執着心強めな魔族の王子さま。二人にこれでもかというほどに愛される平凡な村人、アデアの運命はいかに……?
▼掲載先→アルファポリス、ムーンライトノベルズ、エブリスタ折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-28 17:50:56
10529文字
会話率:30%
少年は「透明」だった。
もちろん背景が透けて見えてはいないし、ましてや肉体がないわけでもない。
孤独の檻に入れられている廃王子ヘイム・ダル・アルタールの「黒い獣」が吠え,腰の後ろに帯びたナイフを握り締める。
自分を無視する世界に復讐
するために。
だが,自分を導く師匠となる謎の男との出会いによって友情と努力を知ったヘイムは,魔族と人類に世界を支配するローマン神たちの陰謀が渦巻く激闘の中を,仲間たちとの絆を信じ,明日の勝利を目指して戦い抜いていく。
うん。まあ。間違ってはいないし,ウソでもない。
長らくウダウダ書き続け、最後の方はリアルが忙しくて遅れてしまいましたが、どうにか生きているうちに完結まで到達できました。
おめでとう。
自分で自分をセルフ賞賛したいと思えなくもないです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-14 20:00:00
1156546文字
会話率:42%
魔族に村を焼かれ、背中にレベルが上がらなくなる呪いをかけられた少年が森の賢者と出会い、伝説の暗黒房中術「レイプキル」を伝授され魔族に復讐を誓うダークファンタジーです。
最終更新:2024-02-05 17:53:06
73688文字
会話率:53%
魔族がはびこり、冒険者がダンジョンを探索する世界。
村を焼かれ、背中に紋章を刻まれ魔族を殺せないようになった少年がいた。
少年は森の賢者から魔族をデスアクメさせる暗黒房中術「レイプキル」を伝授され魔族に復讐する事を誓った。
少年は青年になり
、魔族を凌辱する者「デーモンレイパー」として魔族をレイプする旅を始める―折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-10 20:24:32
4444文字
会話率:57%
※竿役のヒューマンの男以外、魔物に凌辱される展開があります。
数多くの種族が生息している、とある惑星で最強の存在、魔族。その中でも、「フローレス・ロード・グローリア」は最強の力を持つ『魔王』として君臨していた。
腰まで伸ばした豪奢に輝く
金髪。ツリ上がった眼窩に在るのは宝石のように輝く紅眼。180cmを優に超える肢体に、魔族特有の褐色の肌。その顔立ちは神が創り出した最高傑作とも言える程に整っている。誰もが羨むような美貌と肉体を持つフローレス。
その治世は盤石のように思えた。だが、そんなある日、『神人』と呼ばれる上位存在から『誰でも召喚できる魔法陣』と『誰に対しても完全な催眠をかけることができる魔道具』を手に入れた男がいた。
これは、弱小種族「ヒューマン」のその男が、彼女を犯し、汚し、果ては堕とすまでの物語。
※1枚ほど主人公のAIイラストが入れてあります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-02-05 00:00:00
19549文字
会話率:36%
魔族、妖怪、神様――様々な異種族の存在が人間に認知されてから数年。
歪な形ながらも異種族と共存を続ける日本は、世界でも有数の「魔族保護国家」として知れ渡っていた。
様々な種族が入り乱れる混沌とした日本で過ごす蓮田 蓮太郎(はすだ れんた
ろう)は、サキュバスと人間のハーフである桜井 咲良(さくらい さくら)との恋をきっかけに様々な出会いと経験をすることになる。
半人半淫魔(サキュバスハーフ)な彼女と一緒に過ごす「淫らで楽しい日常」と「たまにある非日常」が蓮太郎の隠された素養を開花させていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-31 20:05:08
272625文字
会話率:50%
新種と思われる魔族が出現したとの報を受け、とある山里へと国家直属の聖騎士が派遣された。
しかし、現場へ向かう道中、魔族の小集団に発見された彼女は囚われの身となり――
最終更新:2024-01-31 06:13:24
11488文字
会話率:23%
魔王サージュ・エレジロアの表情は憂鬱に曇っていた。これから始まる勇者との戦闘を憂いてのことだ。
乗り気ではないながらも定めと腹をくくり、勇者との戦闘を開始する魔王。
勇者の繰り出す剣と魔王の放つ魔法。互いの力は均衡し、戦闘は激しいぶつかり
合いが続いていた。
……だが、事件は突然起こった。
魔王の放った魔力が二人を包み込んだ次の瞬間、二人は魔法の暴発事故でどこかの雪山に飛ばされてしまったのだ。
うっかり転移事故のせいで魔力が消滅してしまった魔王サージュと、人間族と魔族の間に交わされた『契約』を知らずに勇者になったアレク。二人は、取り敢えず協力して魔王城に戻る為に旅を始める事にするのだった。
勇者×魔王
長編予定で、ハッピーエンドを目指します。
エブリスタにも投稿しています。
しばらく更新は不定期になります。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-26 21:36:40
98744文字
会話率:44%
宮廷魔術師試験に落ちたリアナは自暴自棄になり王都警ら隊に入隊する。
そこで出会った上司アイラスは、孤児出身ながらも何故か絶大な魔力を秘めていて……
★ゆっくり更新します。気長にお待ち下さい。
★R18要素はあまりありません。
最終更新:2024-01-24 17:10:48
11605文字
会話率:49%
人間と魔族による戦争である「人魔大戦」から千年後。孤児であるモニカは神託により聖女に認定され、王城に迎えられる。しかし回復魔術が苦手だったモニカは王子たちの裏切りにより、迷宮内の崖から落下してしまった。最下層に落ちたモニカを救ったのは、人魔
大戦にて初代聖女と争った魔王四将軍の一人、エレンだった。
復讐と闘争を求めるモニカに、エレンはあることを提案する。それは、聖女の魔力を持つモニカが魔族を出産し、新たな魔王になるというものだった。
※エロ系のシーンがある章には「☆」がついています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-23 11:29:29
61268文字
会話率:60%
魔王を倒した若き勇者は、おなじパーティだった年上の回復魔法士と結婚し平穏な生活をおくっていた。
ある日、勇者が家に帰ると、妻はかつての仲間であった戦士との情事の最中であった。
妻と戦友に同時に裏切られた勇者は、家を飛び出しあてもなくさまよう
。
友人の助言を得て、妻をとり戻すためにかつての敵であった魔族たちを訪ねるが——。
剣の腕は立つけど世間知らずな主人公が、かつての仲間や敵やらと人魔入り乱れて織りなす、異種姦・強姦・寝取られ・快楽堕ち、なんでもありのエロティック・ハイファンタジー。エロ特盛の異世界剣豪小説です。
※文章シリアスめ。内容わりとハード。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-22 19:00:00
161976文字
会話率:45%
ある日、魔界に引きづり込まれたアスリー・ウェンスレッドは、魔王と出会った。アスリーは優秀な魔法使いだが魔王のあまりの強さに敵わないと悟り、死か奴隷かと覚悟する。
だが恐ろしいことはされず、魔族はアスリーを客人として丁重にもてなした。その好待
遇に不気味に思っていると、魔王の閨の相手をすることになり──⁉
奴隷は奴隷でも性奴隷の方だったかとアスリーは逃げるまでは我慢しようとするが、果たして逃げられるのか⁉それとも……‼
※短編のわりに助平なシーンが多いです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-21 20:50:03
14575文字
会話率:29%
【ブックマーク登録800件/いいね/感想ありがとうございます!!】
魔力と妖精と魔族が存在するファンタジー世界。
この世界で最強と呼ばれる【少女魔女】、
ヴェール=ウィッチ。
世界征服を目論む魔王と戦い、辛くも勝利した彼女。
しかし、死
の間際に魔王の因子を
世界中に撒き散らされてしまう。
魔王の因子は才ある者に取り憑き、特殊な能力を付与する。
また、66年かけて魔王としての器へと成長させる。
魔王の再誕を防ぐ為、魔王の因子回収の旅に出る少女魔女。
しかし、彼女は気づいていなかった。
因子が強い魔力を持つ女性に取り憑いた場合、
強い子を母体に産ませる為に、
えっちなバッドステータスを与え続ける事に。
「バッドステータスと後遺症になんて負けません…♡♡」
※負けます
◇状態異常
淫紋
催眠
快楽堕ち
薬効強化
魔力痺れ
魔力吸収
望まぬタイミングでバッドステータスをランダム付与
◇後遺症
被虐願望
セクハラ願望
催眠深度強化
ーー感度上昇(ーーには性感帯が入る)
◇イベント
検問でセクハラ
勝てるのにわざと負ける
催眠にかかる(解除できる)
→深い催眠にかかる(解除出来ない)
ナース服えっち
妊娠しない
【代行者】(ここではヴェールの事を指す)、から下記の一定条件を感知すると、女神から【光の加護】を与えられ、凄まじい力と魔力を短時間だけ行使出来る。
発動時の効果処理として状態異常を全回復をする。(後遺症を除く)
例
・強い慈悲の心
・使命喪失
・精神、身体に著しい欠損
・邪悪を倒そうという強い意志
※バッドステータスは外部からの影響による可逆的なもの。
後遺症は外部からの影響でヴェール自身の身体が反応し、影響を受けてしまい成長(退化)した不可逆的な物。
↑要するにえっちな後遺症を引きずりながら旅をする女の子が、
見たいが為の設定。
【主人公の見た目】
身長:150cm
体重:40kg
3サイズ
B:80
W:56
H:85
魔女帽子と呼ばれる、鍔つばの広い三角帽子。
麻の白いワイシャツに、黒のミニスカート。
帽子と合わないちぐはぐな恰好をしている。
背はちんちくりんだが、Cカップに細いウェスト、バランスが良いボディライン。
ツヤのある黒髪が肩から背中までの長さ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-09 15:44:37
113010文字
会話率:29%
大学生だった新野ヒカゲ。突如光の繭が彼を包み、気がつくと剣と魔法の異世界に飛ばされていた。
その世界にある魔物と魔族が支配する国、インフェルナム王国に召喚された理由は魔王となりこの国を統べ人間たちと戦争し勝利すること。
新野ヒカゲは魔王とな
り、前世界で培った知識と経験を活かし、仲間の信頼を勝ち取り、セックスしつつも戦争に向けて準備を行う。
果たしてヒカゲは人間たちに勝利し『インフェルナム王国』から『インフェルナム帝国』へ、『魔王』から『魔帝』になることはできるのか。
※エロあり回はサブタイトルの語尾に★マークがついて一発で分かる親切設定。ヤッタネ☆ミ
※土曜日か日曜日に不定期に更新予定。いつ更新されるかはらはらしながらゆっくり読むことができます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-06 13:00:00
1675574文字
会話率:30%
遥か古代に勃発した魔界との戦争時巨大な魔神に対抗する為に生み出された大型機動兵器【ベルゼリオス】によって、魔族は敗北し魔界に追いやられ強力な封印結界により人間界への道は閉ざされた。
人類の平和と引き換えに宿敵を失った英雄は決断する。
――
戦場に身を委ねる事でしか悦に浸れぬ身ならば、転生し新たな時代に敵を求めるしか術は無しと。
戸惑うこと無く自害し転生したその先は……ロリっ子銀髪吸血鬼の幼女だった!?
しかも、異世界から同じく転生してきたロリコンヲタクも現れて!?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-03 22:26:56
148656文字
会話率:44%
ヤンデレ風味のヒーロー二人から溺愛され、三角関係っぽい恋愛をしたり、合間合間で息をするようにエロいことをされて、シリアスメインで進みながら、すれ違ったりと切なかったりダークだったり、たまにクスっと笑えるコメディがあって、一番最後にはハッピ
ーエンドを迎えるお話です。
【あらすじ】
魔物狩りを専門に行う名家・ハッシュフード家の生き残りであるユフィは、美貌の義兄アゼルと一緒に狭い借家で細々と暮らしていた。
そんなある日、眉目秀麗でお金持ち貴族の次期当主・ランブルト・ホイットニーから結婚を前提とした交際を申し込まれる。虚弱体質のため一日三時間しか働けないユフィは、結婚すれば義兄にラクをさせられるのではないかと考えたのだけれど……?
「ダメだ。俺は認めないよ」「君の体は他人と違う」「ダメって言ったらダメ」
過保護で心配性の義兄に強く反対され、諦めることにしたユフィだったが、後日ランブルト本人が「義兄の秘密と知っている」と直接会いにやってくる。
話を聞いている途中で倒れてしまい、場の流れでランブルトから魔力を貰う事になってしまう。
だがその様子を義兄に見られていて──
「魔力が欲しいのなら俺にして」
家に帰るやいなや、異常な執着心で迫られ、挙句にはベッドに連れていかれてしまい……?
少し気弱なヒロインとハーフヴァンパイアの義兄と、虎視眈々とヒロインを狙うもう一人のヒーローの物語。
※ヒーロー二人とも愛激重のヤンデレ風味、体で愛を伝えてくることが多め
※ヒーロー二人にそれぞれ本番行為あり
※キスを含めた性描写に(*)マーク付け
※基本的に強引かつエロ多めかつ激しめかつ長くしつこくねちっこい
※残酷描写タグは吸血シーンやその他保険的意味合いです折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-24 11:26:21
242580文字
会話率:43%
人類と魔族は大規模な戦争を行っていたが、停戦条約が結ばれ戦争は終結した。非公式部隊の所属者は存在しない為、解雇された。その退役軍人は気付けばオッサンと呼ばれる年齢になっていた。ド田舎でスローライフを満喫していると軍から手紙が届く。命を無視さ
れた少女兵を育て、そして生き残らせる為に退役したオッサンは復帰する。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-22 00:00:00
50706文字
会話率:52%
私の名前はグレース・ハマー
魔族出身なのに魔力量が殆どない落ちこぼれです。
魔力量が少ないのには理由がある。
それは私が魔族の中でも特種なものを主食にする種族の血が入っているからです。
そんな私は魔力が全てと言う乙女ゲームの世界に転生してお
り、今日も今日とてヒロインと攻略対象のイベントを生で傍観中。
のはずが、ヒロインの攻略対象の分岐点でまさかの・・・。
途中サブキャラの女体化と、女体化した時に男性キャラとの交わり等あります。
苦手な方はご遠慮下さい。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-16 23:19:27
70115文字
会話率:27%
異世界で魔族として転生した主人公ロキは、ある悩みを抱えていた。
法治国家でぬくぬくと育ってきた記憶を持つ主人公からすれば、力が全てという魔族の実力主義社会は息苦しいものがある……。
だがしかし! ここは胸を張って言いたい!
本当に我慢でき
ないのは、下半身の欲求不満であると。
顔は可愛いのに下半身が蛇のラミアとか?
はちきれんばかりの豊満なボディが魅力的なオーク(顔は豚)とか?
激しい動きをしたら首がポロッと落ちちゃうデュラハンとか?
もう、なんか色々と惜しいのよ!!
異性を誑かすインキュバスの魔族なのに童貞の主人公は、悶え苦しみながら1つの結論を導き出した。
――そうだ……魔王が討伐されればいいんじゃね? と。
世界が平和になれば、人間と魔族が共存できるようになって普通の女性とお近づきになれるんじゃね、と。
しかしながら、現魔王サタンは勇者を瞬殺できるほどに鬼強のハードモード。
普通にやってもまず勝てない。
が、主人公はインキュバスとして転生する際にある特殊能力を授かっていた。
それは――……
【潜在能力覚醒】――淫猥な行為によって相手の秘められた能力を段階的に覚醒させる。
下半身の欲求不満から魔王討伐を決意した主人公は、仲間を探す旅に出た。
世界を平和にするために。
秘められた力を宿す、美少女をもとめて。
インキュバスに転生した童貞主人公が、下心とともに世界平和を目指して奔走する異世界ファンタジー……開幕です!!
※主人公は魔族ですが、鬼畜ではありません。
エロいことをして相手の潜在能力を覚醒させられますが、完全覚醒までお時間がかかる場合もございます。のんびりとお楽しみいただければ幸いです。
※サブタイトルの後ろに◇◇◇が付いてるのは、R18の描写がある回です。
苦手な人はスルーしてください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-06 16:45:45
24358文字
会話率:41%
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オー
クランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆描写はありませんが、受けがモブに抱かれている示唆はあります(男娼なので)
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
☆アルファポリスにも掲載してます折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-12-01 21:06:08
154467文字
会話率:37%